第2次丹波市総合計画後期基本計画への5つの提言

 「第2次丹波市総合計画後期基本計画とSDGs」で述べた考え方をベースに、大きく5つ、丹波市総合計画後期基本計画への提言を述べておきます。

 なお、後期基本計画に盛り込まれた8つのまちづくり目標と32の施策目標については「第2次丹波市総合計画後期基本計画8つのまちづくり目標」をご参照ください。

 バックキャスティング、Society5.0、FEC自給圏がキーワードです。

Careについての記述が個別的過ぎる

 FEC自給圏のうち、Careの自給というのは分かりづらいかもしれません。提唱者の内橋さんは「コミュニティの再生」につながる概念と考えられているようです。
 そう考えると、少し分かりやすくなります。丹波市でいえば、現在進められている「地域包括ケア」の延長に位置づけられますね。

 一つ目のまちづくり目標「みんなで支え、育む生涯健康のまち」にまさに該当します。しかしこのまちづくり目標に含まれる施策目標が個別的で、大きな施策になっていないのです。

 以前「健康まちづくりの基本方針が必要では」で述べましたが、その後「未病」といった概念も重視されるようになってきました。
 ですから、やはり新病院と丹波年輪の里周辺を「健康モデルゾーン」として整備し、市内各地域への波及効果が現れているくらいの未来像を描き、そこからバックキャストして施策目標を立ててもらいたかったと思います。

 この一つ目のまちづくり目標については、Society5.0の観点からもまったく足りていません。せっかく丹波市は良いデータベースを整備しつつあるのに、データを活かして市民の健康長寿をはかるという姿勢が無い。これは問題です。

 福祉面でも、ぼくは「遠隔操作の”分身ロボット”で『未来のテレワーク』」のような取り組みに注目しています。障がい者でもICTを活用して社会参加する道が開けつつある。そうした取り組みにもキャッチアップすべきと考えます。

有機農業の記述が薄すぎる

 丹波市は有機農業の里です。なぜか「恐竜」は施策目標として独立させてあるのに、「有機農業」はあげられていない。これは解せません。

 実はSDGsの観点からは、有機農業というのは大いに注目されているのです。単に環境創造型の農業という点だけではなく、貧困問題であったり、食料問題であったりのゴールにも活かされる。

 丹波市の有機農家は、多くが家族経営です。それを考えると、特に今年から始まった、国連で定めた「家族農業の10年」と関連して、丹波市が率先して推進すべき分野です。
 それであるのに、ひとつの柱にならず、他の丹波ブランドと並べて記述されているだけというのは、不十分に感じます。

 また、農業の国際化は今や避けて通れない課題です。今後考えなくてはいけない農産品の海外展開を考えたときどうでしょうか。
 先日、市内で行われた「匠の技フェア」でJAS認証をとられたお茶屋さんと話していたのですが、(海外展開では)「JASが出発点」と言われていました。
 ヨーロッパなどでも、農産物の生産工程認証(GAP)などが前提でしょう。

 TPP等の市場自由化を前提に、今後農業の海外展開はより重要な課題になっていくに違いありません。オーガニック農業を強化することが丹波市には欠かせません
 そしてそのためには、単に生産農家の強化だけではなく、商品開発やマーケティングの強化、さらには給食など食育の問題を含め、Foodの視点から取り組むべき課題は多いのです。

 なぜ施策目標として独立させなかったのでしょうか。

エネルギー施策はあと一歩踏み込みたい

 エネルギー施策に関しては、木の駅プロジェクトの推進を通したバイオマスエネルギーの普及などに触れられています。

 ただ、ここはもう一歩踏み込んで、エネルギー自給を目指すくらいは書きたかったですね。長野県のような先進県は取り組んでいます。

 地球温暖化対策という視点からは、カーボンオフセット、排出権取引などの取り組みも書き込む必要があったのではないかと思います。

 エネルギー政策はぼくも勉強中なのですが、もう一歩踏み込んでほしかったと感じています。

防災に災間時代の視点が欲しい

 防災に関しては、「南海トラフ」を前提としたバックキャスティングが必要と思います。

 目下の異常気象に対応した減災の工夫については、8月16日「心つなぐ 防災の日」の制定もあり、取り組みが書かれています。
 もう一本の柱として、「プレ東南海大地震」時代を生きているという視点から、施策を考えるべきであると思うのです。

 どういうことか。
 南海トラフが動いたときの被害想定からは、丹波市は太平洋岸と比較して小規模の被害で済むとされています。
 とすると、その時点で丹波市が広域的な視点から果たせる役割は何か。そう考えていく必要があるのではないでしょうか。

 具体的には、被災地からの避難者を受け入れる拠点として、あるいは食料供給地として、しっかりと役割を果たす必要があるでしょう。
 それにあたりひとつ考えているのは、そこに向けた備えを、「いざというとき」ではなく「日常使い」できる形で備えておくということです。

 たとえば、少しずつ取り組みが進んでいるテレワーク。これは災害時にも業務を続けるために大きな役割を果たせます。都市部の企業が一時的に丹波市に拠点を移して業務を行うといったことも提供できるでしょう。
 そう考えると、この時点からテレワークやサテライトオフィスの導入を進めておいて利用することは、プレ大災害時代としても有効な手段です。

 空き家なども災害時の避難拠点として活用できますから、バックキャスティングで、現時点でどのような方法で太平洋岸の方とつないでおけばいいかと考えていくと、新しい視点の活用策が考えられそうな気がします。

 議会では福知山線の複線化の問題も、交通インフラのバックアップとしての加古川線の役割を含めて検討すべきという議論が出ています。

 このように、プレ大災害時代の備えとして、現在の日常を形作っていくことが、丹波市に求められていると考えます。

協働のまちづくりに対して行政の役割を書き込むべき

 まちづくり目標の7は「市民が主役の豊かな地域力の向上」です。SDGsでも「パートナーシップ」は17番目の目標とされています。

 ところが、この目標に組み込まれている施策目標は「協働のまちづくりの推進」として、市民側の応援に関することしか含まれていないのです。
 もちろん、この秋にオープンした市民プラザはじめ、市民活動の支援は欠かせません。これを通して、市民の参画意識を高めることは必要でしょう。

 でも、市民が参画しやすい行政を作るということを、ここで施策目標としておかないでどうするのか。行政側も変わる必要があるのに、書かれていない。
 8つ目のまちづくり目標「将来を見据えた計画的で効率的な行政経営」で触れているということかもしれません。しかし効率的という文脈と協働の文脈では施策目標は変わってくるはずです。

 Society5.0の視点からは、シビックテックなど、市民の参加を促す行政情報化が不可欠です。オープンデータはその代表例。
 また、ぼくはもうひとつ、「EBPM」にも注目しています。詳細は今回は触れられませんが、「Evidence Based Policy Making」の略で、政策を裏付けするデータをもとに政策決定していくことです。
 これを推進することで、政策の決定過程を透明化し、市民が参画し、議論し、評価することができるようにもなると期待しています。

 こうした、行政側の変革がこの目標のところで書かれていないのは残念です。


 以上、ぼくが思うところを記しました。
 ちょっとうろ覚えではあるのですが、「第1次丹波市総合計画」では、「リーディングプロジェクト」という位置づけのものがあったように記憶しています。

 実はですね、総合計画にある施策目標って、どうしても部署の縦割りに対応したものになっちゃうのですよね。
 ところが、SDGs的には、横断的な課題解決こそふさわしい。そこでいっそ、後期基本計画でも、「ケア5.0」「オーガニックシティ」「災間丹波」といったリーディングプロジェクトを走らせてはどうかな、なんて妄想したりもしているのです。

 まぁ、煮詰める時間が足りませんので、現実的には「第2次丹波市総合計画後期基本計画と3つの重要計画」で紹介した「丹波市創生総合戦略」に譲るしかないかと思ってもいます。

 あなたはいかがですか? 「第2次丹波市総合計画後期基本計画のパブリックコメントの募集」を通して、あなたのご意見をぜひ行政にお届けください。

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